選抜Ⅱ 社会

 今週は、選抜Ⅱの社会について記載していきたいと思います。

 

まず選抜Ⅱの社会の過去7年間の平均点は以下のように推移しています。

 

 H24   H25   H26  H27  H28  H29  H30

  29.6  26.7  30.8  25.7  21.2  19.3  18.0

 

 社会も理科同様に、難化傾向にあります。社会においては、H27年度以前は比較的点数の確保しやすい教科であり、高得点を目指しやすい教科でした。しかし、H28年度から極端に平均点が下がり、ここ2年は理科と同様に選抜Ⅱ試験で難易度の非常に高い教科となっております。また、全国47都道府県低得点ランキング(H30年度はまだ全国の分析結果がでておりません)ではH29年度が全国第1位、H28年度が第2位となっております。

 

 これは、理科と同様に、決して広島県の生徒さんたちの社会の学力が低いということではありません。私たちも問題を分析しますが、学校の授業、定期テストをきちんとこなしただけでは解くことができない問題がたくさんあります。その結果、41点以上を得点した生徒は、H28年度が全受験者数の1.5%、H29年度は全受験者数の0.8%、そして46点以上を得点した生徒は、2年連続0%となっております。

 

 ここまで難しい受験になっている要因としては、大きく2つあると考えております。

 

まず1点目は、数学、理科と同様に問題の長文化です。H27年以前は、問題ページが10ページ程度でしたが、H28年以降は、13~14ページと大幅に増加となりました。長文問題、図や表が増加したためです。またそれらも、学校で学習したものはもちろんですが、社会が抱える課題などの問題が出され、非常に難易度の高いものとなっています。

 

 2点目は、記号問題、語句だけを答える問題(一問一答形式など)の問題の減少です。語弊があるかもしれませんが、高校受験の社会といえば、どちらかというと、覚えていれば点数が取れるイメージが保護者様方には強いかと思います。確かに、H27年度入試まではその傾向がございました。記号問題、語句だけを答える問題はH26年度で30点分、H27年度で28点分もございました。しかし、H30年度入試では、10点分にまで減少しております。その点数の差は全て、長文読解からの記述問題へと変わりました。

 

 

 他にも要因はございますが、私としてはこの2点が大きく難化した要因だと捉えております。この難しい受験への対策を下記致します。

 

 まずは、一問一答形式で、しっかりと基礎知識を身に着けることが大事です。記号問題、語句だけを答える問題はほとんど出題が無いことを上記しましたが、資料の読み取り問題には、絶対に知識が欠かせません。すなわち、以前までの入試のように、覚えた知識をそのまま問われることは非常に少ないけれども、考えるために「活用する」ものとして入試で基礎知識を扱われるようになりました。社会の資料の読み取り問題は非常に難易度の高いものですので、必ず基礎知識を習得しておくことが重要です。また広島県の入試は、これまで「地理」「歴史」「公民」が万遍なく出題されていますので、バランスよく学習し、知識を習得することが求められます。社会は基礎知識を習得するだけでもかなりの時間を要します。そのため、彩星館では、理科と同様に、8月より、受験に向けて、基礎知識の習得のための授業を実施しています。ぜひ高校受験を控えられている中学3年生の皆さんは今から少しずつ学校の進度と並行してこれまで学習した内容などの復習を徹底することで、基礎知識の習得を目指して頂きたいと思います。

 

 2点目は、読解力です。広島県の社会の問題は、全国屈指の読解量です。したがって、長文を的確に読むことができなければ、問題の意図などを理解できません。また、資料や図や表などと一緒に出題されたり、文章内に学習した用語なども頻出したりするため、本当に難易度が高いです。したがって、国語のように文章を読むための「読解力」、資料を的確に読み取る「分析力」、そして上記したように社会の専門的な語句が文章内にたくさん出てくるので、「知識量」が大事になります。これらが身に着いていないと、問題を解くことができないと言っても過言ではありません。

 

 対策を一言で表すことは難しいですが、新聞を読むことが良いかと思います。彩星館では、授業の中で対策を投じていきますが、それ以外の学習としては、新聞を読むことにより、難易度の高い文章に慣れ、なおかつ時事にも触れることが大事だと思います。上記したように、読解量がかなり多いので、処理スピードも問われます。したがって、気になる時事があれば新聞を読むという程度ではなく、毎日少しずつでも新聞を読む習慣をつけることが良いかと思います。そうすることで、難しい文章も読み慣れ、処理(読解)スピードの向上も目指せると思います。

 現在は新聞を取られていないお宅もあると思います。その際は、「NHKニュースおはよう日本」のホームページに毎日「けさのクローズアップ」として1つのニュースを取り上げられ、写真や資料、図などと一緒にニュースの記載がございますので、そちらを読むことも良いかと思います。

 中学生にとっては、新聞を読んだり、ニュースの記事を読んだりすることは、とてもハードルの高いことかと思いますが、ここ数年の社会の入試はそれだけハードルが高くなっているということです。また、社会が抱える問題などの出題があると記載致しましたが、新聞などではそちらの内容も習得できるため、幅広い知識や情報も入ってくると思います。ぜひ実施してみて頂きたいと思います。

 

 最後に記述問題について記載致します。社会の記述問題は「~のため。」と記述する問題が非常に多いです。すなわち理由を問われる問題が多く出題されます。したがって、学校で学習する内容に対して、なぜそのようになったのかという「背景」まで明確にしていく必要があります。一問一答形式で語句を覚えることももちろんですが、それらを時代などの流れで理解することにより、背景などを明確にしていく必要があると思います。また広島県の入試は上記したように、文章だけではなく、資料や図、表と一緒に出題されることが多いため、資料などの読み取りも的確にできるようにしておく必要があると思います。全国的に記述量が増えていますので、記述の練習は他都道府県問題を解くことで対策できると思いますが、読解量は全国屈指ですので、時間配分や難易度調整には注意が必要です。

 したがって、いまからできる良い対策としては、学校で学習した内容、教科書記載の資料などの説明をしっかりとできるようにしておくことが重要だと思います。私も経験がありますが、社会はどうしても語句だけを覚えていれば満足するところがあると思います。しかし、現在の入試は本当に難易度が高いので、資料などが何を表しているのかしっかりと説明できるようにすることが大事だと思います。

 彩星館では、こちらの対策は学年末テスト終了後の2か月間で実施し、受験までに記述力を身に着けていきます。

 

ぜひ、

「基礎知識の徹底→読解力の養成→資料の読み取り、基礎知識の背景などの明確化→記述」

という順番で学習することが好ましいかと思います。受験生はもちろんですが、中学校1,2年生も受験を見据えて、テスト前だけではなく、普段から基礎知識の習得を意識して学習に取り組んで頂くと、受験生になってから、対策などがしやすくなると思います。ぜひ、頑張って頂きたいと思います。

 

 最後になりましたが、先日はブログへのコメントありがとうございました!

皆さんのお役に立てる内容はどんどんアップしていきたいと思っていますので、ご質問やご要望などございましたら、どんどんコメント頂けると幸いです!できる限りお応えしていきたいと思います!

この度の社会の内容も、少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。