今週は、選抜Ⅱの英語について記載していきたいと思います。
まず選抜Ⅱの英語の過去7年間の平均点は以下のように推移しています。
H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
23.6 21.3 24.4 26.3 23.7 15.9 24.4
英語は、年度によって大きな平均点の差はございますが、これまでの数学、理科、社会の平均と比較して頂くと、現在の選抜Ⅱ試験の中では、比較的得点をしやすい教科ということがイメージできるかと思います。
しかしながら、英語においては注意が必要です。他教科は、基本的に平均点付近の得点者の割合が高くなっており、平均点を頂点として山なりのグラフを描くことができます。しかし、英語においては、他教科と異なります。低得点者と高得点者が2極化して平均点を作っていることが多いです。英語においては、例年、40点以上の高得点を取ることができる生徒は、全受験者数の10％程度（H29年度除く）もいます。すなわち、英語は、他教科と異なり、勉強すればするほど、高得点を目指すことが可能な教科といえると思います。しかし、しっかりと学習しなければ、他教科のどの教科よりも低得点になってしまう可能性のある教科ともいえると思います。
また、大学入試改革により、今後の学習指導要領における英語は4技能（読む、聞く、書く、話す）が全て万遍なく重要な教科となって参ります。私たちの世代でも、英語は大学受験においては最も重要な教科の一つで、いずれの大学を受験する際も、必ずと言って良いほど受験科目として扱われていました。今後はますます英語の重要性が増してくることは間違いございません。また確実に難易度も増してきます。だからこそ、最優先で英語の学習をして頂きたいと思っています。
しかしながら、現在の選抜Ⅱの英語受験においては、ほとんど変化していないのが現状です。少しずつ「書く」という英作文などの記述が導入され始めておりますが、傾向としてはこれまでの選抜Ⅱ試験の「読む」「聞く」がメインとなっております。今年度、様々な中学校の定期テストなどを確認しておりますが、これまでと大きく変化した様子はございません。また先日勉強会に参加をしてきましたが、全国的にも、中学生の定期テスト問題、受験問題にほとんど変更は無いようです。すなわち、今年度の受験英語においては、従来通り学習すれば、高得点を目指せる教科だと思います。もちろん問題形式などは変更となる可能性は十分考えられますが、4技能を問うような変更や難易度の高すぎる文章の出題などは無いと予想しております。
以下に対策を記載していきます。
まずは、「英単語」を徹底的に暗記することが重要です。広島県の入試においては、特に「日本語訳できる」ことが重要となります。大学入試改革の煽りで、問題形式は変更となる可能性もございますが、選抜Ⅱ試験は、例年2題の長文読解が出題され、「読む力」が問われます。その設問の中に英作文もございますが、他県ほどの難問は出題されておらず、長文内の単語を使用したり、自分が知っている単語のみで作成できたりするレベルの英作文の出題にとどまっております。そのため、まずは英単語の日本語の意味を覚えることが重要です。
彩星館では、例年中3の8月から、毎週英単語テストを実施し、受験までの最低1300語を覚えて頂けるように学習を進めております。また、英語が比較的得意な生徒や難関校を受験する生徒においては、12月末までに全て暗記するようお伝えしております。彩星館では、学年末テスト以降の約2か月で徹底的に受験対策をしていきますが、単語をすでにある程度覚えている生徒は、受験対策問題や過去問を解いた際に「対策無くても十分読める」と言ってくださいます。すなわち、選抜Ⅱ試験では、中学校で学習する単語をしっかりと覚えていれば、十分対応できるということです。ぜひ、目標をしっかりと定め、計画的に中学校で学習する英単語を覚えて頂きたいと思います。
また注意点としては、
①動詞は過去形、過去分詞形まできちんと暗記する
②1単語につき１つの日本語ではなく、中学校で学習する訳し方は全て暗記する。
また使い方に違いがある際はそれも暗記する。
③前置詞とともに使われる動詞は熟語として暗記する
④中学生のうちは品詞はさほど重要ではないが、自動詞、他動詞の区別は的確にする。また自動詞の場合、後にくる前置詞、訳を一緒に暗記する。
ぜひ、これらにしっかりと注意して頂きたいと思います。高校入試の場合、1文が長くなる際は、基本的に関係代名詞を伴います。関係代名詞を用いる場合は、基本的に1文に動詞が2つ以上出てきますので、動詞の訳が適切にできなければ読むことができません。ぜひ特に動詞はしっかりと暗記するようにして頂きたいと思います。
次に「英文法」の暗記です。「英単語」と「英文法」を確実に覚えることができれば、リスニング問題においても、長文読解においても多くの問題を解くことが可能です。すなわち平均点をしっかりと確保することが可能だと思います。中学生で学習する英文法はさほど多くありませんので、「理解」→「反復演習」→「定着」としっかりと確認しながら進めて頂きたいと思います。ただし、まずは英単語を確実に覚えることが重要です。なぜなら、英単語を覚えていないせいで、文法問題を間違ってしまい、自分は文法が理解できていないんだと勘違いしてしまう生徒が本当に多いからです。私たちは授業で生徒のことを常に見ているため、この子は、英単語のせいで間違ってしまったと判断できます。だからこの英単語をしっかりと覚えてもらわなけばいけないと生徒と共通認識にして進めることができます。しかし、自学、独学で学習する際は、なかなかこの判断ができないものです。また、時制（現在、過去、未来、現在完了）はしっかりと注意をして、いずれの文法も学習して頂きたいと思います。高校入試の長文を読む際も、定期テストでも文法、文の成り立ちとしては間違ってはいないけれども、時制を間違えて減点、誤答する生徒が本当に多いです。高校に入るとますます時制においては難易度が増します。時制はいずれの文法でも絡んでくるものですので、ぜひ注意してい学習して頂きたいと思います。
次に「空所補充」「表やグラフの読み取り」「英問英答」問題の対策です。ここからは、平均点よりも更に上を目指すための対策となります。これらの対策はあくまでしっかりと文章が読めるようになってから実施することが好ましいと思います。選抜Ⅱの長文は文章が長い上に資料なども一緒に出題されます。したがって、文章を読みながら資料を整理したり、考えたりする必要がございます。英文をただ単に日本語に訳せるというだけではなかなかこれらの問題は解くことができません。そのため、これらの対策をいきなりしていくのではなく、まずは長文をしっかりをスピーディに読み、どのような内容が書いてあったかを把握できる練習をすることが大事です。いきなり受験レベルの長文は難しいので、100～200字程度の読解から練習を始め、少しずつ量を増やし、最終的に受験レベルの500～600字程度に慣れていくことが大事です。その後、上記の選抜Ⅱ試験の出題形式に慣れていくことで、しっかりと考えながら読むことができると思います。彩星館では、季節講習や通常授業でも受験2か月前までは、いきなり受験レベルの問題を解くのではなく、上記のように順序だてて対策を実施していきます。
最後に英作文です。英作文には、様々なパターンがございますが、選抜Ⅱでは意見英作文の出題傾向がございます。すなわち、問いに対して意見を述べ、その理由を書くという流れのものです。その他のものも出題されますが、一番難易度の高いものは意見を述べる英作文だと思います。この英作文においては、まず、しっかりと自分の意見を持たなければなりません。またその理由も明確にする必要がございます。これをまず日本語で考えることができなければ問題を解くことは不可能です。
また、ここからが難しい内容ですが、その自分の意見を「自分の知っている単語レベルでの日本語になおす」ことが重要です。現在学校で学習している英単語は日本語に訳すと小学生で学習するものがほとんどだと思います。したがって、中学生である皆さんが、日本語で適切に意見を考えると、非常に難易度の高い単語を使わなければ表現ができません。したがって、自分が考えた文章を、小学生たちにでもわかるように説明する日本語に変えてから作文を書くことが大事です。英作文において、書きたいことは決めているけど、英語でどのように書いたら良いかわからないという生徒は対策前には本当に多いです。ぜひこの点に注意して、様々な英作文の問題に触れて頂きたいと思います。また、英作文は様々なパターンがあるので、１つに絞らず多くのパターンに慣れることも重要です。
最後に、本来であれば、英語の問いに英語で考え、答えることが大事ですし、それが英語学習の本質でもあると思います。しかし、そのような教育を受け、練習している生徒はまだまだほとんどいないと思います。そのため、まずは上記のように日本語で考え、英語に直すという練習をしてみて頂きたいと思います。
以上のようになります。
5週にわたって、1教科ずつ分析、対策などを記載してきました。これから高校受験を控えられている生徒、保護者の皆様のお役に立てていればうれしいです。
今後も選抜Ⅱの受験情報などは記載していきたいと思いますので、ぜひお読み頂きたいと思います。私がこれまで記載してきた記事へのご質問や、こんなのを書いてほしい、教えて欲しいというご要望などがあれば、どんどんブログに書き込んで頂きたいと思います！私ができる限りの解答をしたいと思っています！
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